武蔵野台地の水辺と森・遺跡を歩く(516)-12km

東京名湧水57選

立ち寄りポイントの説明(各区間ごと)

Map-01~05

01-JR武蔵野線・東所沢駅

JR武蔵野線・東所沢駅

東所沢駅
東所沢駅

西国分寺駅からJR武蔵野線に乗ると、高架を走っていた電車はやがて長いトンネルにはいり、トンネルを抜けても堀割の中をすすんでいく。東所沢駅のホームは堀割の中にあり、階段を上ると改札口が地面と同じ平面にある。

出来立てのような真新しい駅舎に驚くが、2020年12月にリニューアルされたとのこと。東所沢駅は埼玉県所沢市。改札口の脇、駅の南側と北側にもコンビニがあるものの、現在は、駅の周囲に大きな建物はない。都営地下鉄大江戸線が延伸されれば、様子が大きく変わるのだろう。

駅から北へ徒歩10分のところには2020年11月6日、国内最大級のポップカルチャーの発信拠点「ところざわサクラタウン」がグランドオープンした。

改札口を出て南に回り込み、駅前広場から南に向かうとぶつかる埼玉県道・所沢青梅線を東へ歩いていく。信号「柳瀬保育園入口」を南へ右折すれば、あとは道なりだ。畑が広がっていて、無人の野菜販売所が目につく。切通し状で、少し上り坂でカーブしていて、見通しがなくなるところに差し掛かると、突然、目の前に観音様の大きな白い後姿が出現する。

02-東福寺観音像

東福寺の守護観音像

東福寺の守護観音像
東福寺の守護観音像

真夏の濃い青空から浮かびあがる高さ16mの守護観音像だ。

観音像から急な階段を14m下りたところに、東福寺本堂がある。東福寺は真言宗豊山派の寺院だが、境内に由緒書きが見当たらず、詳しいことはわからない。所蔵の木造阿弥陀如来坐像は、鎌倉から室町時代ごろ制作と推定され、高さ134.8cmの仏様とのこと。

このあたりは、武蔵野台地が柳瀬川に向かい急な崖になって落ちているところだ。崖の上に観音像、崖の下にお堂や墓地がある。

山門を出て振り返ると、白い観音様が本堂越しに、私のほうを見ていくれている (ような気がした)。山門の前には庚申塔や地蔵たちが佇んでいた。

  • 東福寺守護観音像から南方を見下ろす
  • 東福寺の庚申塔など
  • 東福寺のお地蔵様
  • 東福寺山門から本堂を振り返ったら

このまま次のポイントへと歩み始めたら、崖のほうに、別のお堂が見えた。「成田山」と書いてある。お堂の中を覗いたら、密教の護摩壇がみえた。

その右には、不動堂がある。山道が裏山へと上っている。登り口には「南無三十六童子」と書かれた石碑がある。三十六童子はお不動様の侍者で、それぞれ千万の童子を従え、千万億の悪鬼から人々を救う。きっと、Covid-19からも人々を守ってくれるだろう

山道にはこの36の童子たちが、紫陽花の植え込みのなかに配されている。真夏で草が生い茂っていたが、6月初旬ごろはきれいな花のあいだいから、童子たちが私たちを見ている。先ほど通ってきた守護観音像が、真横に見える。

  • 成田山
  • 護摩壇
  • 不動堂
  • 南無三十六童子めぐり
  • 南無三十六童子めぐり
  • 白亜の観音像が見える

九十九折の山道をさらに登っていくと、平らな畑に出た。東を見ると、1本の杭というか柱が立っている。近寄ると、一等三角点「本郷」だった。「緯度35度47分35秒、経度139度31分16秒、標高57.4m」。私有地なので、残念ながら標識の頭にタッチすることができない。

もと来た道を少し下り、三十六童子巡りの山道を一周して不動堂に戻ってきた。

  • 一等三角点「本郷」
  • 南無三十六童子めぐりの下り

この境内一周の「寄り道」は、標高差23mの上り下りで、距離は約420m。観音像に着いてから、30分近く経ってしまった。きょうの最高気温は34℃になる予報、先を急がなくては。

03-清瀬金山緑地公園、04-中里富士塚

  • 白い自動車の右側が清瀬金山緑地公園
  • 清瀬金山緑地公園

両側に畑が広がり、野菜の無人販売所もある、ゆるい下りの舗装道路を歩いていくと、前方に、森が見える。道の右側が清瀬金山緑地公園、左にはいっていくと清瀬金山調節池である。

清瀬金山緑地公園

清瀬金山緑地公園
清瀬金山緑地公園

清瀬金山緑地公園は、「水と緑の柳瀬川回廊:秋津駅~清瀬駅(084) -12km」 で通ったところです。https://is.gd/0Qfx9o の説明をご覧ください

公園の脇を流れている柳瀬川に金山橋が架かっている。埼玉県と東京都との都県境だ。川で水遊びしている子どもたちが楽しそう

  • 金山橋から柳瀬川を見下ろす
  • 柳瀬川通り(野火止台地)

橋を渡ると、野火止台地に向かって27mの高度差を自動車道に沿って上る。ここから下里本邑遺跡公園の手前までは、ほとんど高度差のない台地の上を歩くことになる。

中塚富士塚

中塚富士塚
中塚富士塚

中里富士塚は、ゆるい登坂の正面に見える鳥居の奥にあった。きれいに整備された高さ9mの富士山で、山頂には石祠と大日如来の石碑がある。

九十九折の登山道は簡易舗装されている。1825年築造の富士塚には、溶岩らしき岩はなく、赤土のみで築かれているそうだ。

  • 中塚富士塚
  • 中塚富士塚
  • 中塚富士塚
  • 中塚富士塚山頂の祠と大日如来碑
  • 中塚富士塚山頂からふもとを見る

毎年9月1日に、富士講行事の火の花祭り(「清瀬の伝統行事「中里の火の花祭」」)が行われているとのこと。
「火の花祭」の映像は、下記 「YouTube 清瀬市公式チャンネル」をご覧ください。

05-中里公園 (神社)、06-清瀬市郷土博物館、07-清瀬駅

  • 駐車場と運動場のあいだを入る
  • 赤いものがチラッと見える
  • 石の鳥居の奥に2基の赤い鳥居
  • 錆びた児童遊具

中里富士塚のすぐ近くの左側に、深紅の建物らしきものがチラッとのぞく鎮守の森が見えた。ここは、かつては畑と森が一面つづく景色だったのだろう。進行する宅地化から、わずかだけ残されている一角だ。

駐車場と運動場との細い通路を入っていくと、中里公園との表示がある。入り口の石造の鳥居の奥に、危険だから近寄るなとの注意書きが貼られロープで囲まれた古びた赤い鳥居が2基建っていて、さらにその奥に、真っ赤なペンキで塗りたくられた祠がある。その裏には、錆が出ている児童遊具がある。平日の昼間だからか人影はない。

中里公園の真っ赤な祠

中里公園の謎の祠
中里公園の謎の祠

真っ赤な柵で囲まれていて、真っ赤な祠には近づけず、扉は閉ざされている。神社名は書かれていない。

周囲から忘れられたような空間だ。とても落ち着いた静かな空間で、立ち去るのがもったいないが、まだ先は長い。

途中、建物を取り壊して広い道路を開通させようとしているところを横切り、住宅街のなかを歩いて清瀬市郷土博物館へ向かう。

Map-06_07
Map-06_07

清瀬市郷土博物館

清瀬市郷土博物館
清瀬市郷土博物館

清瀬市郷土博物館(【開館時間】午前9時から午後5時まで/【休館日】毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)および12月29日から1月3日まで/【入場料】無料 (企画展を除く))は、清瀬の歴史・民俗の展示室と、企画展がある。

訪れた日は、企画展「文化勲章受章記念 澄川喜一展」の最終日だった。清瀬市在住の澄川喜一氏は、東京湾アクアライン川崎人工島「風の塔」や東京スカイツリーRのデザイン監修などを手掛けた彫刻家で、企画展には、木の木目と反りの美しさや、重力の微妙なバランスが心を揺するような作品が展示されていた。

  • 清瀬市郷土博物館の歴史・民俗展示室
  • 企画展「文化勲章受章記念 澄川喜一展」

ここからは、清瀬駅まで「けやき通り」を一直線だ。途中、志木街道を横切る無人の野菜販売所もあり、新鮮で安かったので、荷物になるが、買い込んでしまった。左側にある西友清瀬店の大きなビルに沿って回り込むと、西武池袋線の線路をまたぐ清瀬駅改札口へ上る横断橋入口がある (西友の中に入り、飲料などを物色しながら食品売り場を進むと2階へ上るエスカレータがあって、横断橋につづいている)。

  • 清瀬駅改札口横から見た南口広場
  • 清瀬駅北口の無人野菜販売所
  • 志木街道を横断

新しく市街地化されてきた清瀬駅の北側に対し、南側は古くからの商店がある街だ。

清瀬駅南側の商店街については、「多磨全生園の歴史を考えるウォーキング:西武池袋線・清瀬駅~秋津駅 (510)―6 km」をご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください