大國魂神社・武蔵野国国府、いききの道をたどる (089-1)

~17-八幡町地域公園

(武蔵国府跡国司館地区)⇒金毘羅神社⇒妙光院⇒安養寺⇒馬霊塔・馬頭観世音菩薩⇒日吉神社⇒天神社⇒普門寺⇒黄金の馬・競馬場前駅⇒武蔵国府八幡宮⇒八幡町

府中街道の坂を下っていく途中、左側に見える階段を上り、鳥居をくぐると広場に出る。左側の森は、大國魂神社本殿奥の境内樹木群だ。昔は大國魂神社の境内から直接来られたが、いまは塀の通用門にカギがかかり、通り抜けができなくなっている。

府中街道から階段を上っていくと、鳥居、広場、お堂がある

金毘羅神社

鳥居の正面にお堂がある。訪れる人もなく、静かな空間だ。鳥のさえずりだけが聞こえてくる。不思議なことに、このお堂の名前を示すものに気づかなかった。あらかじめ地図で「金毘羅神社」があることを認識していなかったら、ここがどんな神社なのか分からなかった。
広場(金毘羅神社境内?)から右手に下りる階段(金毘羅坂)があって、 墓地を抜けて妙光院 に行くことができる。府中観光協会サイト「妙光院」のページによると、本覚山真如寺妙光院の「北側には境外仏堂として金比羅堂がまつられて」いると書かれてある。
この広場は、府中崖線の高台にある大國魂神社境内(標高54m)と、崖下 (標高45m)との途中にあって傾斜が緩くなっている場所だ。これから東郷寺までは、この府中崖線に沿って、上り下りしながら歩いていくことになる。

妙光院

妙光院本堂を左手に回り込んで奥へいくと、竹林の先から裏門に出る。このまま左へコースに沿って進んでもいいが、いつでも裏門が利用できるのかどうか、確認しなかった。今回訪れたときはお彼岸のころで、墓参りの人が大勢おられたから通行できたのかもしれない。10年前に訪れたときは、通り抜けができなかった記憶がある。

妙光院の裏門

安養寺

裏門を利用できない場合、また、大國魂神社の別当寺だった安養寺にも立ち寄られる場合は、妙光院の正面から府中街道に出て坂を下ると、左側に安養寺の参道がある。この参道入口にある信号の向こうには、府中競馬場のおおきなスタンドがそびえている。

馬霊塔馬頭観世音菩薩

安養寺の本堂は南に面しており、その前を通りぬけて左へ道なりにすすむと、妙光院の裏門がある。ここからは、右手に府中競馬場を見ながら歩いていくと、 馬霊塔馬頭観世音菩薩 が崖を背にして並んでいる。これは競走馬の霊を慰めるもので、皐月賞と日本ダービーを制したトキノミノルをはじめ名馬たちの墓石が並んでいる。

 

日吉神社・天神社

すこし道を戻り、天神坂を上らず、木立のなかの階段を上ると、木々に取り囲まれて、大国魂神社の境外末社として古くから祀られていた日吉神社 (府中市宮町) が現れる。社の左から奥へ進むと、 天神社だ。さらに進むと天神坂に合流し、坂を上ると京所道 (きょうずどう) に突き当たる。

京所道

府中崖線の崖の上を通っている京所道は、戦国時代ごろには整備されたと言われる旧い時代の甲州街道で、左へ行くと、先ほど通ってきた大國魂神社隋神門前へ至り、右へは、「八幡道」「いききの道」「筏道」「品川道」と呼ばれ、品川・六郷付近まで多摩川左岸の崖に沿って延びている。この古道沿いには古墳が点在していて、古代から人が生活を営んでいたところだ。

普門寺

京所道を右に歩くとすぐ、普門寺が右手にある。といっても、本堂は広い敷地の奥にひっそりとある。普門寺は、「正しくは、大悲山清涼院。本町にある妙光院の末寺です。真言宗豊山派。本堂は、以前この地にあった西蓮寺の薬師堂とのことです。1537年権大僧都恵伝法印が、室町末期の戦乱で荒廃した寺を再建し、薬師如来を安置し、衆生の病患を救い災難を除くよう祈ったとされています。以来普門寺の薬師様は「目の薬師様」として知られ」(府中観光協会サイト「普門寺」) ているとのこと。

黄金の馬(アハルテケ)像

京所道をさらにすすむと、突如、駅が現れる。京王競馬場線のターミナルである府中競馬場駅だ。 京王競馬場線は、京王線・東府中駅と府中競馬正門前駅を結ぶ全長900mしかない複線の路線。改札口から真南に、府中競馬場正門へ一直線の歩行者専用橋が伸びている。駅前の小さな広場には、黄金の馬(アハルテケ)像がまさに黄金に輝いている。
像の説明(東京競馬場)によると、アハルテケは、約3000年前、イラン北部の砂漠地帯で飼われ始めた、抜群の持久力と暑さに対する抵抗力を備えた馬で、金色に輝く毛並みを風になびかせて走る。現在も馬術競技で活躍しているそうだ。

  

 

八幡道 (やわたみち) 迷いやすいので、注意!

黄金の馬像からは道なりに曲がりくねった坂を下るが、競馬場通り(広い車道)まで歩いてしまわないように!
坂を下りきる手前が、変則十字路のようになっている。そこをいったん左へ上り、こんどは右へカーブした道が奥に向かって細くなり不安になるが、構わず突き進む。この細い道が「八幡道」だ。右側は鳩林荘、左に武蔵国府八幡宮がある。迷いやすいところなので、行かれる際は、下の地理院地図で確認しておいてほしい。

道をまちがえないように!!!

武蔵国府八幡宮

森のなかに鎮座している武蔵国府八幡宮は、聖武天皇 (在位724-749年) が一国一社の八幡宮として創立したものと伝えられ、武蔵国府の守護神であって国府のある西を向いている。鳥居の先を眺めると、森のなかの参道が、警報にあわせて赤い信号が点滅する踏切を横切り、真っすぐに、ずっと伸びている。その踏切を時折り京王線の10両編成の電車が走っている光景は、とてもシュールだ。
なお、八幡神社の総本社は大分県宇佐市の宇佐神宮(宇佐八幡宮)である。

 

  

八幡町地域公園

踏切からは、森のなかを八幡町地域公園へ行こう。
ここにはベンチもトイレもあって、休憩にも、お昼の弁当を食べるにもいい場所だ。

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