サクラとトマトの国・北本を歩く:JR高崎線・北本駅 (096)―14km

コースの特徴
春は一面サクラの郷、ナノハナも美しい。夏・秋は自然いっぱいの林で散策。
北本市は、こんなところです。
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コースの概要
[コース (約14キロメートル)]
JR高崎線・北本駅西口―北本市観光協会―(景観フラワーロード)―高尾氷川神社―厳島神社―須賀神社―さいたま緑のトラスト保全第8号地―北本市野外活動センター―高尾さくら公園―阿弥陀堂(阿弥陀堂のエドヒガンザクラ)―横田薬師堂―城ヶ谷堤(桜土手)―石戸城跡― 一夜堤―北本市子供公園―東光寺(石戸蒲ザクラ)―北本自然観察公園(高尾の池―埼玉県自然学習センター ―かわせみ池―エドヒガンザクラ)―北本市立西部公民館―十一面觀―真福寺―本宿天神社―多聞寺―JR高崎線・北本駅東口
[のんびり散策コース (約5キロメートル)]
バス停「北里メディカルセンター」―東光寺(石戸蒲ザクラ)―北本市子供公園― 一夜堤―石戸城跡―城ヶ谷堤(桜土手)―北本自然観察公園(高尾の池―埼玉県自然学習センター信号「北本自然公園」―バス停「北里メディカルセンター」
コースの地図です。
こんなところを歩きます。
◆JR高崎線・北本駅西口―北本市観光協会―(景観フラワーロード)―高尾氷川神社―厳島神社―須賀神社:2,300m
北本駅西口から駅を背にして真っすぐの景観フラワーロードを約5分歩いた右側にある北本市観光協会では、付近の地図などをいただけます (平日:9:00~17:00、日曜日・祝日:9:00~16:00;土曜休み)。この道の両側は、サクラ並木になっています。
突き当りにある道標「これより石と舟とみち」は、馬室(現・鴻巣市)から石戸宿へ通じる伝鎌倉街道沿いに享保12(1727)年に建てられました。「石と舟と」とは「石戸河岸」のことで、江戸時代から大正時代頃まで、荒川は舟運が栄えていました。春、この一帯にナノハナが咲いています。
この先に、高尾氷川神社、厳島神社 (弁天社)、須賀神社が固まってあります。貞観11(869)年創建の氷川神社は谷津を望む台地に鎮座していて、あたり一帯に、大きな集落が営まれていた縄文時代の遺跡があります。
◆須賀神社―北向地蔵―さいたま緑のトラスト保全第8号地―北本市野外活動センター:1,014m
さらに足をすすめると、畑のなかの曲がり角に建っている背の高い「北向き地蔵」には、泥の団子を備えて願い事をし、願いが叶ったら、お礼に米の団子を上げるという信仰が現在も続いているそうです。
その先に、高尾宮岡の景観地(緑のトラスト保全第8号地)へ入る土の道が現れます。この保全地には、大宮台地を侵食して作られた谷津と斜面林が残されていて、四季折々、変化に富んだ景観を見ることができます。斜面林にはクヌギ・コナラなどの落葉広葉樹が多く、谷地部分は湿地性草原で、湧水もあり数多くのトンボ類など湿地特有の動植物が生息する豊かな自然が残されています。
野草を見たり、虫たちを見ながら保全地を抜けると、キャンプができる北本市野外活動センターがあります。広場の周囲は、サクラが取り囲んでいます。
◆野外活動センター出口― 高尾さくら公園―阿弥陀堂(阿弥陀堂のエドヒガンザクラ)― 公園出口:1,300m
野外活動センターの庭を奥に進むと、荒川土手が見渡せる西側出口があります。舗装路を上り返し住宅街を歩いていくと、高尾さくら公園です。公園には200本、30種の桜が植えられ、例年3月中旬から4月10日ごろまでさまざまな桜が咲き、屋台も出て、桜まつりが行われます。その奥に、阿弥陀堂と、阿弥陀堂の墓地の奥に、樹齢200年超、樹高13m、根回り2.9mの大きなエドヒガンザクラがあります (エドヒガンザクラは、ソメイヨシノより1週間ぐらい早く花が咲き始めます)。
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武将・源範頼(みなもとの のりより)は兄頼朝に謀反の疑いをかけられ伊豆の修禅寺で殺されましたが、阿弥陀堂は、その死を聞いて荒川に身を投げた妻・亀御前の霊を祀るため、約700年前に建てられたと伝えられており、阿弥陀堂鐘楼の手前に、「亀御前の碑」と伝わる石塔が建っています。阿弥陀堂のある一帯は、調査によれば中世の館(大宮館)跡とされており、遺跡も発掘されています。なお、範頼の死には謎が多く、実は隠れ生き延びたのだという説が各地に残り、北本でも石戸宿に隠れ住んだという伝承が語り継がれています。
◆高尾さくら公園出口―横田薬師堂―城ヶ谷堤(桜土手) 1,670m
大宮台地の高台にある公園西側の出口付近からは、河川敷のある荒川低地の広々とした景色が見られます。斜面を下った出口のところには池があり、また、公園を出たところにはホタルの養殖をしている湿地があります。
道は荒川に沿って南に進みますが、川は見えません。県道・東松山-桶川線の高架をくぐり、春は、雑木林のあいだから咲くサクラを左に見ながら歩きます。それ以外の時期は、単調な歩きになるかもしれません。
◆城ヶ谷堤(桜土手)
城ヶ谷堤(じょうがやづつみ)は、江戸時代初期に付近の田畑を水害から守るために築かれました。約60本のソメイヨシノがあり、毎年4月上旬にはナノハナの黄色と相まって、見事な花のトンネルです。
◆城ヶ谷堤―石戸城跡― 一夜堤―北本市子供公園 1,070m
城ヶ谷堤から、かつて石戸城を囲んでいた湿地帯を進むと、左側に北本市子供公園があります。ここは、北本自然観察公園の西側になります。
◆北本市子供公園
北本市子供公園は、入園無料で9時~17時30分 (10~3月は~16時30分) の開園、休日は、第4月曜 (祝日の場合は翌日) と年末年始です。ローラー滑り台や、水遊びができるせせらぎがあり、ソメイヨシノが見事に咲き誇ります。
◆北本市子供公園―東光寺(石戸蒲ザクラ) 752m
北本市子供公園でひと休みし、再び北本自然観察公園の道をあゆみ、左側に北里メディカルセンターの建物が見えてくると、舗装路です。ここを右側にすすむと、東光寺が見えてきます。
◆東光寺(石戸蒲ザクラ)
東光寺は川越市東明寺(時宗)の末寺で、伝説では源範頼の開基といわれています。寺域および周辺地域は鎌倉時代の館跡で、多数の文化財が残っています。
境内の「石戸蒲ザクラ」は、福島県三春の滝桜・山梨県北杜市山高の神代桜・静岡県富士宮市狩宿の下馬桜・岐阜県本巣市根尾谷の淡墨桜とともに日本五大桜に数えられる樹齢800年の銘木で、国の天然記念物の指定を受けています。
石戸蒲ザクラは和名「カバザクラ」という世界でただ1本の品種で、開花はソメイヨシノに比べて数日遅く、例年4月上旬に満開になります。残念ながら、大正11年当時は、幹が4本に分かれ根回りは11mにも及ぶ巨樹だったものの、戦後次第に衰えを見せ、現在では1本の幹と、孫生えが残る状態になっています。
◆東光寺―北本自然観察公園 (高尾の池―埼玉県自然学習センター) 1,110m
東光寺からはいま来た道を一夜堤まで戻り、北本自然観察公園のなかを埼玉県自然学習センターに向かいます。北本自然観察公園は、平成4年に開園し、里山の貴重な自然とのふれあいの場として、保全され整備されています。
◆北本自然観察公園(埼玉県自然学習センター―エドヒガンザクラ)―北本市立西部公民館 949m
埼玉自然学習センター近くの自然遊歩道沿いにある樹齢200年のエドヒガンザクラは高さ29mあって、北本市内で一番大きな桜です。開花が早く、毎年3月末ごろピンク色の花が一斉に開き、満開になります。
◆北本市立西部公民館―真福寺 1,660m
「大師様」の名で親しまれている真福寺は、開基以来600年の由緒ある古い寺で、慈恵大師と慈眼大師の画像が寺に残されていることから、「両大師」とも呼ばれています。毎年1月3日と2月3日は「大師様のだるま市」が開かれ、境内にはたくさんのだるまを並べた市が立ち、お参りの人たちでにぎわいます。
◆真福寺―北本駅東口 1,630m
JR高崎線を越えると、旧中山道です。旧中山道に道が突き当たったところに、本宿天神社と多聞寺があります。北本宿は、慶長7(1602)年に鴻巣宿に宿駅が移るまでは中山道筋の宿場で、天神社のあるところは宿場の中心地にあたり、北本宿の鎮守として祀られてきた神社です。
詳しいコースの写真は、コチラ をクリックしてください(2019年4月5日撮影)