植木の里:花と緑の安行原を歩く (513)-13km

興禅院の森

[区間3] 金剛寺―赤堀用水斜面林保全緑地 (イチリンソウ自生地)―密蔵院―九重神社―安行原自然の森

[区間3] の写真は、[区間3] 金剛寺―赤堀用水斜面林保全緑地―密蔵院―九重神社―安行原自然の森 をご覧ください。

途中の写真は⇒ コチラ

金剛寺からはふたたび東本郷赤山通り、埼玉県道・東京都道103号を横切り、Y字路を左に、切通しの坂道を下っていくと信号のある交差点が見えます。交差点の手前・左側に、民家の玄関に見えてしまう「㠀稲荷神社」があります。「㠀」は「しま」と読みますが、調べると、まわりを海や湖に囲まれた陸地という意味です。この交差点は、見沼代用水東縁から取水した赤堀用水が横切っていて、標高は4.6m (ちなみにY字路の標高は14.5m) しかありません。縄文時代、このあたりは広大な低湿地帯だったのかもしれません。このあとで立ち寄る「新郷貝塚」([区間4] 地図の19) で縄文人たちは淡水の貝を食べ、丸木舟で海へと乗り出していきました。「㠀稲荷神社」の社名は、遠い縄文時代の記憶につながるのかもしれないと、想像してしまいました。
交差点を右折し、赤堀用水に沿って100mちょっと、「イチリンソウ自生地 250m」という標識をさらに右折して、坂道が急傾斜になる直前、左側に狭い土の通路があります。ここが、イチリンソウ自生地への入口地図の10)です。この入口は分かりづらくここを入っていいの? と逡巡してしまうほど狭いので、写真と地図を事前に見ておくことをおすすめします。
イチリンソウの開花情報は、(公財)川口緑化センター 道の駅「川口・あんぎょう」の公式ツイッター「樹里安」でツイートされるようです。。

イチリンソウ自生地

右側は斜面林、左側は住宅の裏側のあいだを縫う木道が次第に土の道になり、住宅もなくなって、気持ちのいい森に入っていきます。
竹の垣根で囲まれた一角が見えたら、そこが「安行原イチリンソウ自生地」(地図の12) です。

イチリンソウは、通常、3月中旬に葉が伸び始め、4月中旬から下旬にかけて開花し、5月下旬には地上部分は枯れて地下茎は休眠期に入るそうです。

イチリンソウは、かつては埼玉県でも各地に広く分布していましたが、現在はその数が減少し、「埼玉県準絶滅危惧種」に分類され、川口市指定天然記念物となっています。

ここから斜面を上っていくと出口 (地図の14) になりますが、とても雰囲気のある森なので、地図の13まで足を伸ばし、万葉植物苑を見てから出口まで引き返すのもおすすめです。

途中の写真は⇒ コチラ

赤堀用水斜面林を抜けて埼玉県道・東京都道103号を左へ、斜面林に隣接する川口市立安行中学校を過ぎ、350m先の川口市立安行小学校の先に密蔵院を案内する大きな看板が出ています。この角を左折し、急な下り坂の手前を左に進むと密蔵院です。

密蔵院
密蔵院

海寿山満福寺密蔵院は文明元 (1469) 年、永海法印によって中興されたと伝えられる真言宗智山派の寺院で、明治初期までは京都醍醐寺無量寿院の末として、21の末寺を持ち11石の御朱印を下賜された10万石の格式を持ち、川口、浦和、草加、越谷、大宮などの各寺院に影響をもたらした川口市内有数の古刹とのことです。
平将門 (平安時代中期 [930-1068年]、関東の豪族) が上洛の際、自身の守り本尊であった地蔵菩薩像をこの地に奉安したと伝えられており、本堂の屋根には将門の家紋「九曜星」の紋章が輝いています。この地蔵菩薩像は平安時代藤原期の造立で、慈覚大師 (生794-没864年) 作と伝えられ、当山の本尊です。安行八景に選ばれています。
詳しくは、安行 密蔵院ホームページ をご覧ください。

密蔵院は川口市の桜の名所の一つで、数十本の安行桜が境内の要所に植林され、早春に美しい景観を楽しむことができます。
安行桜はソメイヨシノよりも一足早く満開を迎え、ピンクの色彩がやや濃く、花が少し小ぶりで、遠景ではやわらかいイメージに映るそうです。安行桜の生みの親は沖田雄司氏で、沖田桜とも呼ばれています。密蔵院ホームページの「安行桜」では、安行桜開花情報を伝えています。

九重神社の御神木
九重神社の御神木

密蔵院の隣にある九重 (ここのえ) 神社は、大宮台地が舌状に突き出た先端部に鎮座しています。

主祭神は素盞鳴尊 (すさのおのみこと)。

本殿の後ろには安行で一番高い御嶽山 (標高32m) の「登山口」があります。

この特徴ある地形から、その昔、平将門がここに砦を築いたという伝承があるとのこと。

このあたりの小字名は「久保」で、地元の人々は古くからこの丘を「久保山」と呼びならわしてきたそうです。

「久保」名の由来は、一帯が起伏の多い地形で窪地があるからとも考えられています。

境内には樹齢500年以上のスダジイの大木が2本大きく枝を広げて圧巻でした。

詳しくは、九重神社ホームページ をご覧ください。

安行原自然の森は、赤堀用水斜面林の延長上にある安行の自然を残す森です。

安行小学校の南側にある安行原自然の森公園(子どもたちは平岡山と呼んでいます)は安行の昔の自然をそのままに残す自然公園です。学校の授業でも、エコクラブの活動でも、大切な自然観察の場所となっています。

川口市立安行小学校TOP > お知らせ > 安行原自然の森(平岡山)の貴重種 マヤラン より
安行原自然の森
安行原自然の森

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