大悲願寺と横沢入:武蔵引田駅~武蔵五日市駅 (098)

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なつかしい里山風景と伊奈宿をたずね、梅や桜や新緑や萩や紅葉を楽しめるコースです。

秋留台地にあるJR五日市線・武蔵引田駅(標高170メートル)を出発し武蔵五日市駅まで、蛇行する秋川の左右の高台を、奥多摩の山々を見ながら歩く10キロメートル弱のコースです。
初秋には、コスモスが咲く秋留台地から五日市街道へ降りると (標高160メートル)、かつては伊奈宿と呼ばれた宿場です。伊奈宿には、信州の伊那地方から、扱いやすい石を求めて石工たちが移り住んだと言われています。
ここから、一時は大規模な宅地開発が計画されたものの、開発をまぬがれ里山保全地域に指定されている「横沢入」(標高200メートル) へと上っていきます。横沢入は三方を標高300メートル前後の山々に囲まれ、南向きに開けた谷間で、中央と支流の谷戸で水田が営まれ、山腹の雑木林は薪炭材として利用されてきた典型的な里山です。野の花が咲き、トンボが舞う、昔話の世界がひろがっています。横沢入の奥には、伊奈石を採石した跡が残っています。
横沢入に隣接している大悲願寺は、萩(ハギ)の名所として知られ、秋のお彼岸のころ、淡い白色に彩られます。
高尾橋 (標高160メートル) から見る秋川の紅葉はきれいです。髙尾公園は、林や紅葉する樹々がきれいに整備されています。
400本のソメイヨシノヤマザクラの大木がある小峰公園 (標高200~336メートル) は、新緑の季節も見ごたえがあります。時間があれば秋川橋河川公園でゆっくりして、ゴールの武蔵五日市駅に向かいます。

JR五日市線・武蔵引田駅―近藤醸造 (事前に予約すれば醤油造りが見学できる)―山田天神社 (天満宮)―伊奈宿―正一位岩走神社―横沢入大悲願寺―伊奈石と矢穴跡―高尾橋―JAあきがわ五日市ファーマーズセンター あいなー高尾公園―(髙尾神社)―小峰公園―(秋川橋河川公園バーベキューランド)ーJR五日市線・武蔵五日市

以下は、一緒にコースを歩いた I さんの感想です。目の前にひろがっている、なつかしい風景をつくってきた歴史の積み重ねが思い出されます。

武蔵引田駅は空の広い秋留台地の上にある。西には大岳山など奥多摩の山々が、南は春に桜・山桜に装われる秋川丘陵の、五日市高尾山や網代城山や弁天山が見えている。畑地の間をぬい町へ下りる。五日市街道になるまでの名前の変遷・伊奈宿・市神様・天満宮・岩走神社・古道など時の流れや歴史に思いを馳せながら歩けば、ウォーキングは彩りを増してくれる。
横沢入の懐かしさを覚える里地・里山の自然を散策し、そして白萩の大悲願寺。本堂の佇まいはもとより観音堂・無畏閣の正面を見上げると、左に極楽図・右に地獄図の彩色された彫り物があってぜひ見ていきたい。
歩いてみると、遠く中世から開かれたこの地にはまだまだ見るものがありそうな予感がする。

コースの写真はコチラをクリック ⇒ 098-大悲願寺の白萩と横沢入:武蔵引田駅~武蔵五日市駅

コース地図をご覧ください。


 

コース距離です。

ポイント 区間距離 累計距離
JR五日市線・武蔵引田駅    
山田天神社(天満宮)トイレ 1,360m 1,360m
塩地蔵 1,440m 2,800m
正一位岩走神社 550m 3,350m
横沢入入口 450m 3,800m
横沢入管理事務所 640m 4,440m
大悲願寺トイレ 500m 4,940m
ファーマーズセンター あいな 1,220m 6,160m
髙尾公園 400m 6,560m
都立小峰公園ビジターセンター 1,040m 7,600m
JR五日市線・武蔵五日市駅 1,570m 9,170m

コースの説明

秋留台地   北を平井川、東を多摩川、南を秋川に囲まれた、東西の長さ約7キロメートル、南北の最大幅約2.5キロメートル、高度は190~130メートルで東へ行くほど低くなる台地です。

伊奈宿(伊奈村)  いまは、「伊奈新宿」「伊奈」「伊奈上宿」というバス停(コース地図参照)のあるあたりが、伊奈宿のあった場所です。ここは秋川谷の中では先進地帯で、中世期には鎌倉街道も通り、16世紀後半の北条時代には定期市を開設していました。農具や衣類、木炭などを始めこの地域で産出する伊奈石(砂岩、横沢入りに石切り場跡がある)で作られた臼などが取引され大いに賑わったそうです。天正18(1590)年、徳川家康が江戸に入府し、江戸城の修復・建築がはじまると、伊奈の石工たちが江戸へ動員され、伊奈村との往復も頻繁となり、自然に伊奈道と呼ばれるようになりました。

「伊奈石の会」のホームページ <伊奈石あれこれ> のなかで、「伊奈石の歴史」が平易に説明されています。そこに、参考文献として、石井道郎「伊奈の石工伝説」(五日市郷土館だより「郷土あれこれ」1994)、下島 彬「伊奈石のあらまし」(たましん『多摩のあゆみ44号』1986) が全文紹介されています。<あきる野市ホームページ>  に「五日市町教育委員会発行 郷土あれこれPDF」というページ(このページにリンクを貼りたいのですが、あきる野市ホームページでは「リンクは、トップページを対象とする場合のみ原則として自由です」となっています)があって、伊奈に関するいろいろな話が掲載されています。伊奈について興味を持たれた方は、これらをご一読ください。また歩くコースに沿って伊奈宿を説明している、ホームページ <多摩のジョギング道――多摩のむかし道と伝説の旅> のなかの「伊奈の石工が歩いた道、伊奈道を行く」「秋留っ原から横沢入へ、伊那の石工の里道を行く」もあります。

五日市街道  杉並区・梅里で青梅街道と分かれ、武蔵野、西東京、小金井、小平、国分寺、立川、福生、あきる野の各市を通り、JR武蔵五日市駅手前で秋川街道に合流して終わる、全長41.5キロメートルの「主要地方道7号杉並五日市線」と呼ばれている都道です。江戸時代には、伊奈道、五日市道、青梅街道脇道、青梅街道裏道、長新田道などと呼ばれていて、五日市街道の呼び名が定着するのは明治時代に入ってからです。

なぜ五日市道(街道)と呼ばれるようになったのでしょうか。
江戸という一大消費地が出現すると、木炭がクローズアップされるようになりました。伊奈市は1の日の三斎市 (月に3回市 (いち) が立つ)、隣の五日市は5と10の日の六斎市でした。伊奈市の前日に開かれる五日市の影響、地理的なことから養沢・戸倉・檜原村などの山方の炭が五日市に押さえられたこと、そして、享保20(1735)年に炭運上(炭の税)の取り立ての専売権を五日市が得たことにより、目玉商品である炭の争奪に市の盛衰をかけた市争いの帰趨が決し、いつの間にか伊奈道は五日市道と呼ばれるようになったとのことです。

キッコーゴー醤油(近藤醸造所)  明治41(1908)年創業の東京で唯一の醤油醸造所。キッコーゴーのゴは、創業者の近藤五郎兵衛の五、今は三代目と四代目が、昔ながらの製法で醤油を造っています。熟成期間は一般的なものより半年長い1年。天然理心流の二代目と近藤醤油とは親戚で、三代目の養子が近藤勇とのこと。直売所があり、予約すれば工場見学もできます。詳しくは近藤醸造所の ホームページ をごらんください。

天満宮 天神社  貞治・応安(1362~75年)のころ、足利基氏の母瑞雲尼が創立し、菅原道真を御祭神とし、「山田の天神様」と言われてきました。参道の入り口に、2本の杉の大木が、根元のほうだけ残っています。樹齢240年だったそうですが、木の内部が腐ってしまい倒木の危険があるため、2016年5月に伐採されました。石の鳥居を囲むように、梅の木があります。

正一位岩走神社   神社の由緒書きが掲示されておらず、ホームページもないため詳しいことは分かりませんが、あきる野市ホームページ「あきる野市神社一覧」によれば、「創立は不詳であるが、仁平2(1152)年7月、信濃国伊那郡の住民12名が当地に来て一村を開き、本国に鎮座する戸隠大明神の分身を勧請したという」そうです。

横沢入  「武蔵野段丘の最奥部、五日市丘陵とそれに囲まれた盆地とからなる地域で、標高は約190mから310m程度である。里山を構成する谷戸部は、草堂の入、宮田の入など七つの谷戸から構成され、谷戸頭から水が湧出し、細流となって中央で一つの流れとなり、秋川に注いでいます。丘陵部は馬蹄形の配置をなす特異な形状で、古くから植林が行われてきた地域」(東京都環境局のホームページ) です。そして、「大規模開発の危機を乗り越え、2006年1月に東京都で第一号の「里山保全地域」に指定され」(横沢入里山管理市民協議会のホームページ) ました。
横沢入里山保全地域は、環境省「生物多様性保全上重要な里地里山」に選定されていますが、その理由として 「都心に位置しながら、明るく開けた雑木林、池・湿地、水田などモザイク状の土地利用が維持・保全されており、モズやジョウビタキなど里地里山に特徴的な鳥類をはじめとする多くの種が生息している。また、良好な水辺環境が保たれていることから、ゲンジボタルの生息も確認されている」ことがあげられています (環境省のホームページ)。
現在、複数のNPOが協力し、多くのボランティアの力で、この里山の環境を保全しています。

大悲願寺  真言宗豊山派の寺。建久2 (1191)年、源頼朝の命を受けた平山季重(すえしげ)が建立し、京都醍醐寺三宝院の澄秀僧正により開山され、明治29(1896)年大和の長谷寺の直末寺となりました。国・重要文化財の「木造伝阿弥陀如来三尊像」(4月21・22日に御開帳)をはじめ、伊達政宗の「白萩文書」など都指定文化財等を多数有しています。境内には白萩が咲き乱れ、寺の周辺では曼殊沙華も咲いています。

JA五日市ファーマーズセンター「あいな」  秋川農業協同組合の農産物直売所。あきる野市五日市地区の農家の皆さんが作った、取れたての新鮮野菜を毎日販売しています。

髙尾公園  秋川に沿った高低差のある公園です。小さい公園ながら東屋があり、梅林や桜、紅葉する木などが、きれいに手入れされています。

小峰公園・小峰ビジターセンター  都立公園で、公園全体がハイキングコースになっており、広い草地の「ふれあい広場」、谷戸(やと)に作られた階段状の田んぼ「谷戸田」、ケヤキの大木が見られる草地の「けやき広場」、子ども向けの遊具がある「冒険広場」、園内の中央にあってソメイヨシノやヤマザクラの大木が並ぶ「桜尾根」、公園の西側にある「里山尾根」、コナラなどの雑木林が広がる「ホオジロ尾根」、武蔵五日市駅方面が一望できる「展望尾根」があります。東京都公園協会のホームページに概要(公園の説明は コチラ、公園の地図は コチラ )が載っています。

ハーフコース、オプションコース

ハーフコースとまではいきませんが、

*武蔵増戸駅から出発して、コース地図の「かつて伊奈宿だったあたり」にある <南北の道は、「鎌倉街道 山ノ道」> ポイントでコースに合流すると、1.7キロメートル短縮できます。
*小峰公園バス停(コース地図参照)から五日市駅までバスに乗車すると、歩く距離を1.5キロメートル短縮できます。ただし、1時間に1本の運行なので、歩いたほうが早いかもしれません。

歩き足りない方は、地図の黄緑色のコースも歩かれてはいかがでしょうか。

*横沢入の田んぼを一周すると、約400メートル
*眺めがよい髙尾神社奥の院まで往復すると、約1,000メートル(+標高差80メートル)
*小峰公園の尾根を一周すると、約1,400メートル(+標高差126メートル)

ちょっと寄り道

武蔵五日市駅から近いお店を紹介します:

cafediningKan−KURA(カフェ+食事)

https://kitchen-canvas.net/
火・水・木 / 12:00-20:00 金・土・日・祝 / 12:00-22:00 *月曜 / 定休日

「地の食材と無添加にこだわりました。薬膳を取り入れて、カラダを中から整えるメインディッシュです。」
「軽食メニューもご用意しています。夜はお酒のおつまみにも合う一品料理です。」
「自家製かぼちゃのスープ、ひのはら紅茶ジュレなど、ここでしか味わえないスイーツ。」
「カラダに優しいシェイクドリンクはオススメです。」

柳屋(蕎麦店)

http://a-yanagiya.com/
平日 8:30〜14:00  定休日は月曜日・火曜日(定休日が祝日の場合は、営業。 翌日、翌々日が定休日)
土曜日 8:30〜17:00  日・祝日 11:00〜18:00  ※但し、蕎麦が営業時間内に無くなった場合は、営業終了

「五日市を訪れたお客様に 五日市の食材にこだわった里山料理」
「旬を迎えた地産の食材を優先的に使用しています。
直売所からの仕入れはもちろんですが、「野菜名人」と呼ばれ名高い地元のおばあちゃんから仕入れることもあり、食材を常に揃えています。
食材のはしり・旬・名残を感じていただけるお料理をお楽しみください」
「蕎麦の香りや風味が強い、北海道は北空知(きたそらち)の田舎粉を使用した自家製の二八蕎麦」
「出汁には鹿児島県枕崎の本節、醤油は、千葉県産の濃口醤油(辛汁)とうすいろ醤油(甘汁)を使用」

魚鶴(そば、うどん、カレーうどん)

https://tabelog.com/tokyo/A1330/A133001/13047892/
営業時間 午前11:00~売り切れまで  定休日は、金曜日

「昭和の蕎麦屋さん風情です。注意書きがなかなか面白いです。
・持込料金:5万円!
・定休日:不定休〜冠婚葬祭、家庭の事情・・・。
・店内は静かに(中年男女の団体さん要注意)。」
「カレー南蛮が登場。来て驚くのが器です。通常のどんぶりではなくて広く浅い器に盛られてきます。長ネギは1本以上は入っているような量が入ってます。カレーの味は少し辛め。うどんは少し細くてつるっとした食感。美味いです!」
「お酒も揃っているので、昼間から軽くやるにもいい」
「蕎麦・うどんの確かさもさることながら、突き出しのように出される小鉢(前回は甘露煮、今回は大根)の味が,この店の実力を示しているようです」
「看板にあった「あらびき蕎麦」と「ニシンの煮付け」と冷酒を注文。この3つの組み合わせが旨いのなんの、まさに池波正太郎の世界!」

寿庵 忠左衛門(麺類製造元)

http://www.sumiya-men.com/?mode=f2
営業時間/11時~14時30分 16時30分~19時00分  水曜定休(祝祭日は営業)

「営業業時間内でもお蕎麦がなくなり次第しめさせていただく場合もございますので、 お手数ですがお電話にてお問い合わせをお願いいたします。℡ 042-595-2438」
「寿美屋 売店 麺類販売は休まず営業させていただいております。」
「創業150年、伝承の味」

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